6年待った理想のカメラ? ニコンD800E。 |
当時はMacOS9用のNikon ViewとCanto Cumulusという画像管理ソフトが付属していた。古い時代だったのだ。
しかも長方形画素という独自のCCDを搭載しており、当初は5.3メガピクセルだったが、後日Nikon CaptureでRawファイルを10メガピクセルで現像できるようになるなど、結構カルトなカメラだった。
でもDXフォーマット(APSサイズ)にトリミングされたファインダーの狭苦しさになじめなかった。直後にCanonから35mmフルサイズカメラが発表されたのを羨ましく眺めながら「ひょっとしてニコンはDX一本で行くのかも」と思い始めていた。
その後ニコンFマウント初の35mmフルサイズデジカメラが、ニコンからではなく、コダックから発売された。
迷機Kodak DCS Pro 14nである。あまりの未完成ぶりと価格の高さにさすがに躊躇していたがずいぶんと心が揺れた。
その後ずいぶんたってから改良版DCS Pro Slr/nがでたので、ようやく大枚はたいて購入。
ニコンからはDXフォーマットしか発売されないに違いないと見限ったのだが...。
13.7メガピクセルのKodak製CMOSイメージセンサーが吐き出す目が切れるんじゃないかと思う程のシャープな画像に感動しながら、ローパスフィルターという必要悪な存在を知った。
とはいえ頻発する色むらや偽色、ニコンF80ベースの頼りないメカ、イメージセンサーが斜めについているなどの製造品質の低さ、剣呑なサービスセンターの対応などに嫌気がさしてきたところに、本家ニコンからようやくようやくFXフォーマット(≒35mmサイズ)のD3が登場した。
ローパスレスではなかったものの、驚くほどの高感度耐性によるトワイライト領域の描写力に、これは「ノクトカメラだ!」と新たな感動。
と同時にAPS-HサイズながらライカM8のローパスレス描写にも心ひかれてライカ道楽もスタート。
しかしながらライカMが誇るレンジファインダー機構とはこの程度のものなのかという失望と、フルサイズ版M9登場の想定外の早さにノックアウトされ、M8売却。
すでにM10の噂も聞こえ始めている昨今、今更M9にも逝けないまま、高いライカレンズ群だけがキャビネットの中で惰眠している。
そしてニコンD3の重くてかさばるボディがしんどくななり始めた頃、ジュニアD3みたいなD700が発売され、D3とリプレース。
シャッタータイムラグの大きさ(=ファインダー画像消失時間の長さ)や96%しかないファインダー視野率など、D3よりも大幅なコストダウンが目につく造りが玉に瑕だが、これに手ぶれ補正付きの24mm-120mm f3.5-5.6ズームをつけっぱなしにした時の無敵の万能バカチョンカメラぶりに大いに満足した。
これで長くもばかばかしいデジカメ散在遍歴は一旦落ち着いたかな。
と同時に、あまりなバカチョンぶりに、写真を撮るというモチベーションすらも低下していった気がする。
恐るべきカメラである。
そんなところにD800Eの発表。
フルサイズ・高画素・ローパスレス・高感度耐性、高機能高品質メカを求めながら紆余曲折してきた私からみれば、とりあえずカタログスペック的には満点なカメラのはずだ。これまでの帯に短したすきに長し的な、どこか我慢しないといけなかったポイントがあったような状態から解放してくれそうな究極のカメラ。
Kodak DCS Slr/nから6年たって、ようやく私が求めてきたカメラが発売される、のかな...。
D800Eは36.3メガピクセル、ローパスレス効果、ファインダー視野率100%、超高画素なのにD700と同等以上の高感度耐性があるというから、これ以上望むことはない。
連射はしないし、動画にも興味はないから、その辺の仕様は全然きにならない。
あとはスペックに表れない部分でどうなのか。
道具としての使いやすさ、メカとしての高精度・高品質感。
でもこの辺は買って使ってみないことにはわからないだろう。
うーんD800E、買う買う買うゾ、絶対買うのだ!
…という勢いでたった今、ヨドバシ.comでポチってきちゃったよ。
でも今ごろの予約じゃ4月12日の発売日には手に入らないだろうな...。
ところでD800Eはどこの国でアセンブルされるんだろう。中国だったらやだな。
さて、そうなると今度はレンズが問題となるだろう。
もはや旧式になった24mm-120mm f3.5-f5.6だけでやっていけるとも思えないし(AFニッコールとしては17-35mm f2.8も持っているんだが)。
D800Eにふさわしいレンズ選び。これもまた楽しい悩みになりそうだ。