ゴム足のGoldmund Mimesis 27.8。 |
ゴールドムンドジャパンになってから発売された最新型(27シリーズの最終型?)だ。
箱から出してあれれ?と感じたのは「ゴム足」なこと。
HPには「新しいメカニカルグランディング構造対応のアルミシャーシ採用」などと書いてあるのだが、それでこのゴム足?
(それとも27シリーズはずっとゴム足だったのかな?)
セッティングを終えた後、いろいろいじくる。
右側のボリュームノブの感触に驚かされる。
フリクションが全然無く、クルクル回ってしまう。それに少々ガタもある。
左側の入力切り替えノブのクリック感も曖昧だ。
すべてリモコン操作が基本、ということなのかもしれないが、最廉価商品とはいえ128万円もする商品とは思えないチープな操作感にがっかりする。
気を取り直して音。
電源入れて2日目から「らしさ」がでてきた。
Telos390.2のプリ部と比較して、音の分解能が増す。
・一音一音の輪郭がしっかりしてくる。
・特に中域と低域の音の分解能が増した。
ティンパニのドコドコいう音がはっきり聞こえるようになる。390.2だとドドドっと固まってしまっていたところだ。
ボーカルも、いままで曖昧で聞き取れ無かった発音が聞き取れる。唇や舌の動きもよく分かる。
・オーケストラの弦の音は強奏時でも固くならず、柔らかくフワッとしている。
どんなときにもソノーラスなのだ。
それと、音が正確になった気がする。
・Telos390.2は中高域に独特な煌めきがあってどんな音でも明るく鳴らす。プリ部だけ使ってもその癖が出る。それがゴールドムンドの音だと思っていたのだが、27.8だとその癖がやや薄まる。
よく言えば、より正確な音なのかもしれないが、悪く言えばちょっと普通になった。
・でも、オーケストラのフォルテッシモでも音が上ずることなく(かといって重心が下がるということではないが)、落ち着いているのがいい。
むしろゴールドムンドならではの美音をどんなディスクでも安定して、安心して聴ける。
まぁ、Telos390.2というもっと安価なプリメインアンプのプリ部との比較だから、全体としては音に高品質感が出てきてあたりまえなんだが。
実はもう一つ期待していたのは、この新型プリアンプの売りであるD/Aコンバーター。
iPodのデジタル出力を入力したり、DDコンバーターをかましてPCオーディオしたりと、デジタルファイルオーディオに対応していることだ。USB入力もついている。
しかもDAコンバーターは憧れのAlize6だ。
さっそくオンキヨーのND-S1をつなげて無圧縮AIFFファイルを聴いてみる。
???。
響きが乗らず、音がデッドだ。
これがAlize6の音?
Sony SCD-XA5400ESのCDの音と比較してもあまりの低品質ぶりにがっかり。
ND-S1 との相性かもしれないが、ゴールドムンドのデジタル、大丈夫か?
こんなAlizeなら不要。Alizeはずしてもっと安くしてもらえないかな。
でもそれだと27.5に逆戻りか。
あ、それともう一つ。
販売店が気を利かせてLineal IC アナログケーブルを同梱してくれた。中古だけど左右ワンペアで10万円近くする。
Mimesis27.8とTelos350の間に使ってみたが、音の出だし消え際の切れがものすごく良くなって、ハイスピードな音とはこういう事か!というほど激変ぶり。
でも家内から、変な響きが乗って耳が潰れそうになるほど不快だ!と言われ、すぐに撤去。そんなに不快な音かな?
難しいモノだ...。
そんなこんなで、Mimesis27.8、アナログ接続では、私の好きな「ゴールドムンドらしさ」を残しながらより高品質な音にしてくれる。
この音は気に入った。
でもねぇ、気には入ったんだけど、今あえて128万円も出して新品を買うほどの価値はないかなぁというのが結論。Alize6の音が期待外れだったのが大きいか。
これなら名機との誉れも高い27MEの中古でも買った方がいいかもしれない。あるいはより程度の良い27.5の中古を、もっと安く手に入れるとか。
良い中古が出るのを待ちながら、プリ部はTelos390.2のままで、SACDプレーヤーの検討に入ろうかな。