リスニングルームの周波数特性。上が補正前、下が補正後(ステレオサウンド194号を参考に「プレシジョン」をベースにカーブを修正)。100Hzちょうどにある深い渓谷は定在波。+とーで打ち消し合っているのでイコライジングでは補正できない。
Nikon D800E AF-S Nikkor24-120mm f/3.5-5.6、f5.6 iso1600 Camera Raw、Capture NX2,PhotoshopCC
●気になっていること
1)DG58を借りた時から気付いていたが、わがリスニングルームにはちょうど100Hzにものすごく深い谷間がある。定在波なのでオプティマイザーの補正が効かない。
10畳間を横長配置で使っているので、フロントと背後の壁の距離が3.6m。ちょうど100Hzに定在波があるのだ。
スピーカーとリスニングポイントの配置を調整してなんとかしないといけない。
2)操作で分からないことがあると販売店を通じて輸入元のステラに聞いてもらっているが、これが間怠っこしい。販売店にトリノフが無く即答できないから、返事がもらえるまで営業日で2日~3日のタイムラグが生じるのだ。
因みに今週月曜日に聞いたことが木曜日夕方時点でようやく返事が返ってきた。そんなペースだ(因みに火曜日は文化の日で休み)。
この手のPC要素が強いオーディオ機器が増えてくると売りっぱなしにできなくなるから、販売店も輸入元もフォローが大変になるだろう。オーディオ機器の家電→PC化に伴って、高額オーディオ機器の売りっぱなし商法も変わっていくのだろうか。
3)これは微妙なことなんだけど。
なんかアキュフェーズDG58の音触が好みだった。ふわっとした微粒子感はゴールドムンドテロスのAlize6がもたらしているものと思ったが、そうでもなかったらしい。
トリノフよりアキュフェーズDG58のAD/DAコンバーターの方が高性能ということだろうか(そりゃそうだろうな…)。
DG58+Alize6はハイエンド・ハイレゾ的な音。
トリノフ+Alize6は割と普通な音(=リアルな音といえなくはない)。悪くはないけどね。
もともとはゴールドムンド流の美音(笑)が好きだったんだけど、ちょっと薄まったかも。
4)DG58だと補正を掛けないスルーな状態でも古い録音のヒスノイズがほとんど聞こえなくなったのだが、トリノフだとはっきり聞こえる。そのまんま。
でもムンドらしさはDG58の方が残してくれた。うーん不思議なことだ。
●気に入っていること
1)トリノフが用意した5つのプリセットがいい感じ。
「プレシジョン」を基本に、中高域がキツめの録音は「コンフォート」と使い分けている。これだけで十分使える。
DG58が売りにしている「スムース」は「きつい高域」というウチのクテマ+リスニングルームが内在している問題をかえって強調してしまうから使えなかったのだ。
ちなみにトリノフにもDG58の「スムース「に近い「ナチュラル」というプリセットがあるが、こっちはリスニングルームの悪癖を強調することはない。
2)ターゲットカーブで自分流にアレンジする方法を覚えたが、意外なくらいカンタン。
WiFiアダプターは、廊下を挟んだ隣のリビングからでも接続できるくらいのパワーがあるので、リビングのMacBookProからゆっくりじっくりターゲットカーブを調整できる。お茶とか飲みながら。
これはDG58ではできない芸当。アレは本体近くにへばりついてないとダメだからな。
3)カーブさえ作ってsaveすれば、あとはiPhone5sの小さな画面で十分。
iPad買わなきゃダメかとも思ったが買わなくてすんだ。
ただvncビュワーは常にST2 HiFiとやり取りしているため、iPhoneのバッテリー消耗が半端ない。接続したままだと一晩でバッテリーが空になるので、操作しないなら接続は切ってvncビュワーは終了しておいた方がいい。
●そんなこんなで、
パソコンやスマホによる操作は最初はとっつきにくかったが最初だけ。慣れると世界が変わる。俄然トリノフが、否オーディオが面白くなる。気軽にいじって気軽に計測、そしてオプティマイズ、気に入らなければ気軽にリトライ。定在波とはこういうことか、などというのもよく分かる。
スマート家電ならぬスマートオーディオ。
リモコンと本体の方向ボタンでちまちま操作するDG58の「家電とPCの悪いとこ取り」した様なインターフェースより断然いい。ずっとスマート。
その簡単さ、気軽さで、トリノフはターゲットカーブをどんどん自分流にアレンジしたくなるのだ。
早速ステレオサウンド194号で柳沢氏が公開したDG58のターゲットカーブを真似たものを作ってみた。
結果はトリノフが用意した「コンフォート」よりもコンフォートになってしまった。
2kHzより上を0.5dBだけ元に戻そうか…。
とか、そんなことを気軽にやってみたくなるし、事実気軽にできちゃうのがいいところ。
DG58も慣れればそうなるのかもしれないが。
あまり悪口言うとまた罰があたるからいい加減にしておこう。